すみません、彼氏ください
噂はあっという間に広がり、男に興味のなないわたしに彼氏がいるという話はクラス内に留まることを知らなかった。
何やらわたしは異性に興味が無いで少しだけ有名らしく、知らない人も休み時間のたびにやってくる始末。

今更いません、なんて言えるはずもなく。
昔耳にした「彼氏を買える」というなんとも怪しいお店に、噂を頼りにやってきた。

見た目はお洒落なカフェでもやってるのだろうかと思えるほど綺麗で怪しさなんて微塵も感じられない。
何も知らなければ普通に小休憩として利用するであろう外見。しかしわたしは噂を聞いているからか、その綺麗さが逆に怪しさを醸し出していた。


どく、どくと煩く心臓が脈打つ。
緊張して手汗も酷くなってきた。けれどここまできて引き返せるわけもなく。

ゆっくりと深呼吸を繰り返して心臓が落ち着いた時、OPENと書かれた看板がぶら下がるドアノブに手をかけた。
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