御曹司のとろ甘な独占愛
「ああ、一花……! 会いたかった……!」

 伯睿は一花を強く抱きしめて、彼女のつむじに唇を寄せた。それから数十秒ほど、一花をぎゅうっと腕の中に閉じ込める。
 抱きしめていた一花を解放すると、彼女の顔を覗きこみ、微笑みを浮かべた。

「元気にしていましたか? ……わあ、綺麗な瞳だ。最近はずっと、きみの眠っている顔しか見ていなかったから……」

 伯睿は眩しい光を見つめるみたいに目を細めて、一花への愛情を滲ませる。

 その視線に、一花はきゅうっと胸が切なくなるのを感じる。
 伯睿の表情を、絶対に忘れたくないと思った。この一週間は全く顔を見ることができなかった大好きな人の視線を、目に焼き付ける。

「俺が夜中、きみにキスしているのを知っていましたか?」

「本当? 全然、気が付かなかった……」

「起こしてしまったらいけないと思って。いつも、少しだけ」

 真っ直ぐな視線で一花に見つめられている伯睿は、少し照れたように口角を上げる。

 一花は今すぐ彼に心の内を全部打ち明けてしまいたい衝動に駆られながら、伯睿に抱きつき、感情をこらえるように背中に腕を回す。
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