御曹司のとろ甘な独占愛
「僕はEternita(エテルニタ)の常盤慧。日本の小さなブライダルジュエリー会社なんだけど、知ってるかな?」

「ええ。ホテル・エテルニタは台湾でもとても有名ですから。Eternitaが手がけるオーダーブライダルジュエリーは、大変人気だと耳にしております」

「それはそれは有難いね。本当に嬉しいよ。うちはほら、貴賓翡翠と違って小さいから。こういう海外で行われるジュエリーショーも初めてでね。主催に名前を知られていなかったら、どうしようかと思ったよ」

「ご謙遜を。エテルニタ・グループの御曹司は色々な意味で有名ですから」

 伯睿の言葉に、慧は大きく肩をすくませる動作をした。

 Eternitaと言えば数年前に出来たばかりのブライダルジュエリーブランドだ。
 確かに現在は日本国内店のみなので、貴賓翡翠よりも規模は小さいものの、飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大している。

 それというのも、バックにはホテル・エテルニタやエテルニタ・リゾートを経営するエテルニタ・グループの潤沢な資金がある。

 伯睿が知る限りでは、最高ランクのダイヤモンドやエメラルドを潤沢な資金を投入してごっそりと買い集めていると聞く。多くのハイジュエリーブランドから、人材を引き抜いているのも有名な話しだった。
< 143 / 214 >

この作品をシェア

pagetop