御曹司のとろ甘な独占愛
◇
伯睿は一花を自宅に送り届けると、義母へ連絡を入れた。「怡菲に会いに行きたいのですが」と伝えると、義母はとても喜んだ。
「怡菲に会いに行くのね! 貴方が会いに行くのなら、勿論居場所を教えますわ! ホテル・エテルニタ台北よ!」
電話口でも、義母が飛び跳ねるように喜んでいるのがわかる。
一花や伯睿の大切な物を傷つけておいて、何故伯睿が良い理由で彼女に会いに行くと思えるのか、その心情が全く理解できなかった。
ホテル・エテルニタ台北のフロントで、李怡菲(リ・イーフェイ)の名前を伝え、彼女の部屋番号を聞く。
彼女の部屋の呼び鈴を押すと、すぐに怡菲がドアを開いた。
「……伯睿。入って」
「ああ」
伯睿が部屋に入った途端、怡菲は彼へ抱きついた。
そうして胸元に顔を埋める。
伯睿は無表情のまま、拒絶するように彼女の両肩を押して、自分の体から引き剥がした。
「何度言ったらわかってもらえるんですか。会うたびに抱きつくのはやめて下さい」
「だって……私だって、寂しかったんだもの。挨拶のハグを少しするくらい、許してくれたっていいでしょう?」
「許す? ご冗談を……」
伯睿は皮肉でも言うようにハッと鼻で笑うと、片眉を跳ね上げる。
義母よりはマシだがよく似た部分のある彼女が、伯睿は少しばかり苦手だった。
伯睿は一花を自宅に送り届けると、義母へ連絡を入れた。「怡菲に会いに行きたいのですが」と伝えると、義母はとても喜んだ。
「怡菲に会いに行くのね! 貴方が会いに行くのなら、勿論居場所を教えますわ! ホテル・エテルニタ台北よ!」
電話口でも、義母が飛び跳ねるように喜んでいるのがわかる。
一花や伯睿の大切な物を傷つけておいて、何故伯睿が良い理由で彼女に会いに行くと思えるのか、その心情が全く理解できなかった。
ホテル・エテルニタ台北のフロントで、李怡菲(リ・イーフェイ)の名前を伝え、彼女の部屋番号を聞く。
彼女の部屋の呼び鈴を押すと、すぐに怡菲がドアを開いた。
「……伯睿。入って」
「ああ」
伯睿が部屋に入った途端、怡菲は彼へ抱きついた。
そうして胸元に顔を埋める。
伯睿は無表情のまま、拒絶するように彼女の両肩を押して、自分の体から引き剥がした。
「何度言ったらわかってもらえるんですか。会うたびに抱きつくのはやめて下さい」
「だって……私だって、寂しかったんだもの。挨拶のハグを少しするくらい、許してくれたっていいでしょう?」
「許す? ご冗談を……」
伯睿は皮肉でも言うようにハッと鼻で笑うと、片眉を跳ね上げる。
義母よりはマシだがよく似た部分のある彼女が、伯睿は少しばかり苦手だった。