御曹司のとろ甘な独占愛
ディナーを終え、一階ロビーで一花が慧に丁寧にお礼を述べていた時だった。エントランスの方が騒がしくなり、不意に一花と慧は、そちらへ視線を向けた。
《私、伯睿のこと……愛しています!!》
怡菲がボロボロと涙をこぼしながら、伯睿に抱きついた。
(……はくえい……っ! なんで……?)
一花は大きく目を見開く。突然の出来事に、頭がついていかない。
困ったような表情をした伯睿は、けれどすぐに引き離すことはなく、怡菲をただ見下ろしていた。
一花にとって、永遠とも思えるような時間が過ぎる。
大きなトランクを押していた怡菲の父親が、神妙な顔つきで怡菲の背中を叩き、彼女をそばへ呼び寄せた。それから彼は、伯睿とその父親に、ゆっくりと頭を下げた。
エントランスに止まるタクシーの扉が開き、怡菲の父親が後部座席へ乗り込む。
怡菲はもう一度振り返ると、伯睿へ愛おしさを滲ませながらはにかむような笑顔を見せた。
彼女があまりにも美しく微笑むものだから、一花の心の中がぐちゃぐちゃになる。
(……やっぱり、正式な婚約者だったんだ)
一花は、伯睿と怡菲の間に結ばれた“約束の糸”を確かに感じた。
怡菲は父親に続いて、静かに後部座席へ乗り込む。
二人がホテルから出て行くのを見送った伯睿とその父親も、別のタクシーに乗り、ここを去っていった。
まるでドラマのような情熱的で静かな一幕に、瞳から、つぅっと一筋の涙がこぼれる。
――一花と慧の間には、静寂が訪れた。
《私、伯睿のこと……愛しています!!》
怡菲がボロボロと涙をこぼしながら、伯睿に抱きついた。
(……はくえい……っ! なんで……?)
一花は大きく目を見開く。突然の出来事に、頭がついていかない。
困ったような表情をした伯睿は、けれどすぐに引き離すことはなく、怡菲をただ見下ろしていた。
一花にとって、永遠とも思えるような時間が過ぎる。
大きなトランクを押していた怡菲の父親が、神妙な顔つきで怡菲の背中を叩き、彼女をそばへ呼び寄せた。それから彼は、伯睿とその父親に、ゆっくりと頭を下げた。
エントランスに止まるタクシーの扉が開き、怡菲の父親が後部座席へ乗り込む。
怡菲はもう一度振り返ると、伯睿へ愛おしさを滲ませながらはにかむような笑顔を見せた。
彼女があまりにも美しく微笑むものだから、一花の心の中がぐちゃぐちゃになる。
(……やっぱり、正式な婚約者だったんだ)
一花は、伯睿と怡菲の間に結ばれた“約束の糸”を確かに感じた。
怡菲は父親に続いて、静かに後部座席へ乗り込む。
二人がホテルから出て行くのを見送った伯睿とその父親も、別のタクシーに乗り、ここを去っていった。
まるでドラマのような情熱的で静かな一幕に、瞳から、つぅっと一筋の涙がこぼれる。
――一花と慧の間には、静寂が訪れた。