御曹司のとろ甘な独占愛
 長身の美青年たちに挟まれ、しかも一触即発の雰囲気に、一花はおろおろと視線を彷徨わせた。

「あの、伯睿、本当なの。ご飯に行っただけで……」

「一花には後で話があります。今は、この男と話しているので」

 底冷えのする声で、伯睿はスッと鋭く目を細める。

「残念だけど、本当にディナーへ行っただけ。……キミさあ、一花ちゃんのことが大事なら、綺麗に着飾って宝石箱の中にでも閉じ込めておいたら? 大切に出来ないんだったら、偉そうに所有者面しないでよ」

「あなたに言われる筋合いはないな」

「僕は一花ちゃんの友人だからね、大切な友人が傷つく姿は見たくないんだ。察するに、全部キミが悪そうだし。僕や一花ちゃんを責める前に、キミ自身の胸に手を当てて聞いてみたらどうかな? 例えば……今夜のこととかね?」

 伯睿を馬鹿にするような態度で、慧は悪魔のように笑う。

 伯睿はそんな慧の態度に腹が立って仕方なかった。
 怒りや嫉妬や独占欲がぐちゃぐちゃになって、胸が苦しい。せり上がってくる熱に、喉が焼けそうだと思った。

 この男の前でそんな感情を出したくなくて、涼しい顔を作る。
 眼球が燃えるように熱いのを、なんとかやり過ごして、誰もが恐ろしいと思うほど美しい笑みを浮かべた。

 静かに怒るとは正にこの人のことを言うのだと、一花は伯睿を見上げた。
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