妄想は甘くない
そこで漸く、フリーズしていた頭が回転を再開したようで、睫毛を瞬いた。
……わたし、揶揄われてるの?
先程からずっと胸が爆音を立てており、心を不穏な気配が占拠しているように思える。
状況を細かくは把握出来ないままだが、楽しんでいるようにも感じられるこの人へ抵抗を表すべく、胸の前に掌を広げた。
出来得る限り落ち着きを取り戻そうと、脳みそを振り絞って抗議を申し立てる。
「……冗談はよして下さい……わたしなんか相手にしなくたって、大神さんなら選り取りみどりじゃないですか!?」
「……何言ってんすか。寄って来る尻軽女なんか興味ねぇし。ウブそうな女が尻込みしてるから掻き立てられるんでしょ」
眉を寄せた薄ら笑いと、返された爆弾発言に益々顔を青くした。
何それこの人そういう性癖……!?
っていうか、口悪っ!!?
パニックに陥っている間も、解放してくれる気はないらしく、再度見つめ合う格好となった。
その眼光に捕えられ、身動きが取れずにいると、続けられる。