『 』
その頃1階ではアイカの出自と扱いについての話し合いとなっていた。
あの女主人は受け入れることを快く話していたがほかの奉公人や2階の風呂にアイカを通したジョンでさえ女主人の言葉に反対とまでは行かなくともいい顔はしていなかった。
「女将さん、俺たちゃぁ反対だぜ。あのガキャぁアレグリーアの人間なんだ。俺たちと合うわけがねぇ」
「なんだい、大の男があんな小娘ひとりに引けてんのかい、情けないねぇ。」
「そーゆーことじゃねぇ!!このクイダードは長げぇことアレグリーアに戦争仕掛けてきたんだ。あの子だって…」
「あの子はそんな子じゃないよ!!
…アタシは…アタシの目にはあの子にはなにか大きな目的があるように見える。
ここにも長くは居座りゃしないよ!!
とにかくアタシはあの子を雇うと決めたんだ!!文句があるなら出ていきな!!」
「女将さん…俺はアレグリーアの人間は心底嫌いなんだ…とにかく俺は反対だぜ」
ぺたぺた…
階段を下る小さな足音が聞こえたのを皮切りに話し合いは終わり女主人の声で仕事に戻るようにと奉公人に伝える声と渋々と言った感じの返事とともにガタガタと人の動く音が聞こえてきた。
仁王立ちで奉公人を見つめている女主人の元により声を掛けた。
「あの…」
「あぁおかえり、湯加減はよかったかい?気持ちよかっただろう?」
ニッコリと笑った女主人にアイカはホットした。
「アンタ達、アタシはこの子と裏にいるからなんか用ができたら呼びな、でもしょうもない事で呼ぶんじゃないよ!!」
女主人は店の奉公人にそう声をかけアイカを裏と呼ばれた母屋…つまり女主人の家へと案内してくれた。
「うちはアタシ1人でね。結婚もしてないし子もいないんだ20とちょっとのころにこの商売を初めてもぅ20何年たったか忘れたけど…アンタみたいな身なりの子が働かせてくれと頼みに来たのは初めてだよ」
体格もよく大柄で黙っていると怖いイメージだが喋ったり笑ったりするとすごくいい人であることがわかった。
途端に汚い身なりをしていたことが恥ずかしくなったアイカは顔を赤くして俯いてしまった。よくもまぁあんな格好で人前に出たものだ。
今になってその恥ずかしさが湧き上がってきた。2年もの間、そんなこと考えもしなかったのに。
「ほらほら何も気に病むことはないんだよ。顔を上げな今は風呂に入って…うん!!アンタ見違えたよ!!こんなに可愛かっただなんて!!これは客が増えるわ!!
アンタ明日からここで働きな給金はクイダードの金で1時に850クィだけど…どうだぃ?」
アイカは目を丸くした。風呂に通された時からなんとなくそんな気がしており嬉しさに体がウズウズとしていたが「働きな」という言葉がこんなにも心躍る言葉であると初めて知った瞬間にアイカはなんの迷いもなく遂…
「やっっっっっっったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大きな声で叫び飛び跳ねて喜んだ。
「そこまで叫ばなくても…そんなに嬉しかったのかぃ」
耳を塞いだ女主人はニカッと歯を見せて笑った。なんとも憎めない人とはこういう人のことを言うのだろう。と心の中で思った。
不意に女主人が真剣な顔になり聞いてきた。アイカの過去と年、それから後見人について。
いくら何でも何も知らない子を黙っておくのにはほかの奉公人も納得は行かないから話してくれ……と。
アレグリーア人であることは見ればわかるから自分の話をしてくれ。
やはり聞かれることだと思っていたが親を亡くしたことは言うにしてもどのようにであるかを伝えることはしないでおこうと思った。
可哀想がられるのは嫌だった。タダでさえ戦争孤児の身の上可哀想がられるのは分かりきったことなのに。
しばらくそんなことを考えたが、話さなければ…と思い口を開いた。
あの女主人は受け入れることを快く話していたがほかの奉公人や2階の風呂にアイカを通したジョンでさえ女主人の言葉に反対とまでは行かなくともいい顔はしていなかった。
「女将さん、俺たちゃぁ反対だぜ。あのガキャぁアレグリーアの人間なんだ。俺たちと合うわけがねぇ」
「なんだい、大の男があんな小娘ひとりに引けてんのかい、情けないねぇ。」
「そーゆーことじゃねぇ!!このクイダードは長げぇことアレグリーアに戦争仕掛けてきたんだ。あの子だって…」
「あの子はそんな子じゃないよ!!
…アタシは…アタシの目にはあの子にはなにか大きな目的があるように見える。
ここにも長くは居座りゃしないよ!!
とにかくアタシはあの子を雇うと決めたんだ!!文句があるなら出ていきな!!」
「女将さん…俺はアレグリーアの人間は心底嫌いなんだ…とにかく俺は反対だぜ」
ぺたぺた…
階段を下る小さな足音が聞こえたのを皮切りに話し合いは終わり女主人の声で仕事に戻るようにと奉公人に伝える声と渋々と言った感じの返事とともにガタガタと人の動く音が聞こえてきた。
仁王立ちで奉公人を見つめている女主人の元により声を掛けた。
「あの…」
「あぁおかえり、湯加減はよかったかい?気持ちよかっただろう?」
ニッコリと笑った女主人にアイカはホットした。
「アンタ達、アタシはこの子と裏にいるからなんか用ができたら呼びな、でもしょうもない事で呼ぶんじゃないよ!!」
女主人は店の奉公人にそう声をかけアイカを裏と呼ばれた母屋…つまり女主人の家へと案内してくれた。
「うちはアタシ1人でね。結婚もしてないし子もいないんだ20とちょっとのころにこの商売を初めてもぅ20何年たったか忘れたけど…アンタみたいな身なりの子が働かせてくれと頼みに来たのは初めてだよ」
体格もよく大柄で黙っていると怖いイメージだが喋ったり笑ったりするとすごくいい人であることがわかった。
途端に汚い身なりをしていたことが恥ずかしくなったアイカは顔を赤くして俯いてしまった。よくもまぁあんな格好で人前に出たものだ。
今になってその恥ずかしさが湧き上がってきた。2年もの間、そんなこと考えもしなかったのに。
「ほらほら何も気に病むことはないんだよ。顔を上げな今は風呂に入って…うん!!アンタ見違えたよ!!こんなに可愛かっただなんて!!これは客が増えるわ!!
アンタ明日からここで働きな給金はクイダードの金で1時に850クィだけど…どうだぃ?」
アイカは目を丸くした。風呂に通された時からなんとなくそんな気がしており嬉しさに体がウズウズとしていたが「働きな」という言葉がこんなにも心躍る言葉であると初めて知った瞬間にアイカはなんの迷いもなく遂…
「やっっっっっっったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大きな声で叫び飛び跳ねて喜んだ。
「そこまで叫ばなくても…そんなに嬉しかったのかぃ」
耳を塞いだ女主人はニカッと歯を見せて笑った。なんとも憎めない人とはこういう人のことを言うのだろう。と心の中で思った。
不意に女主人が真剣な顔になり聞いてきた。アイカの過去と年、それから後見人について。
いくら何でも何も知らない子を黙っておくのにはほかの奉公人も納得は行かないから話してくれ……と。
アレグリーア人であることは見ればわかるから自分の話をしてくれ。
やはり聞かれることだと思っていたが親を亡くしたことは言うにしてもどのようにであるかを伝えることはしないでおこうと思った。
可哀想がられるのは嫌だった。タダでさえ戦争孤児の身の上可哀想がられるのは分かりきったことなのに。
しばらくそんなことを考えたが、話さなければ…と思い口を開いた。