僕の肺をあげるから、君の心臓をちょうだい
『まだ慣れない制服に袖を通して私は学校に向かう。
学校までの道は地元なため、見慣れている。けれど、私は後どれくらいこの道を歩けるのだろうか。
━━━学校に着くと、自分の席に座る。後ろのドアから2番目が私の席だ。
しばらくしてから、半分ほど席が埋まってくる。
「おはよー」
「おっす」
「おはよう」
教室の中で朝の挨拶が交わされる。
「サク、おはよう」
私に挨拶をしてきたのは小学生から友達の『宮嶋《みやじま》蒼《あおい》』だ。そして、友達の中でも唯一私の〝秘密〟を知っている。
「おはよう、蒼」
朝の挨拶を私も返す。