僕の肺をあげるから、君の心臓をちょうだい



「ねぇ、サク。
今日から初めての授業だね。緊張する~!」
「そうかな?」
「カッコいい先生とかいたらどうする?」
「どうもしないよ。
蒼はその先生と恋愛でもする気?」
「ん~、それもいいかもね!」

おもしろそうと笑う蒼を念のため「ダメだよ」と釘を刺す。』


──パラ、パラ。


数ページほどページをめくる。


『今日は体育の授業がある。
私は体育の授業が嫌いだ。

「サクー、行こう!」

蒼が私を呼びに来る。

着替え終わっていたため、私も蒼と一緒にグラウンドに下りた。


「初めまして、君達の体育の授業を受け持つ西郷だ。よろしく」

体育の担当は体格がしっかりとしている男の先生だった。本人曰く四十を二つほど過ぎているらしい。
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