軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
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「これで問題ないな?」
部屋を出てすぐ、レイヴンは頭を下げて控えている侍女にシーツを押しつけた。そして一度も振り返ることなく、足早に自室を立ち去る。
(このままここにいては、俺の理性がもたない。セレアの意思関係なしに襲ってしまう)
それほどまでに、セレアは美しかった。あの透き通るような白い肌と上気した赤い頬、まるで自分を求めるかのように懇願する瞳。それらを思い出して、身の内に眠る欲望が目覚めそうになる。
「ほかに愛した男がいたとしたら、だと?」
セレアの残酷な問いを思い出して、舌打ちをする。腸が煮えくり返るような嫉妬の炎に、全身を焼かれる思いだった。
(答えなど、決まっている)