軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「セレアにどう伝えるべきか」
(俺が戦に出ると聞いたら、寂しいと思ってくれるだろうか)
そもそも、話すべきなのかと頭を悩ませる。
これまで彼女に対してしてきたことを思えば、いなくなった方がせいせいするのではないだろうか。
帝国を治める皇帝の名が泣くな、と自分を嘲るように笑いながら、彼女に向き合う勇気もなかったレイヴンは、なにも言わずに戦に出立するのだった。
***
「え? 戦へ行ったのですか!?」
寝台で本を読んでいたセレアがその事実を知ったのは、数時間後のことだった。