軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「セレアにどう伝えるべきか」


(俺が戦に出ると聞いたら、寂しいと思ってくれるだろうか)


 そもそも、話すべきなのかと頭を悩ませる。


 これまで彼女に対してしてきたことを思えば、いなくなった方がせいせいするのではないだろうか。


 帝国を治める皇帝の名が泣くな、と自分を嘲るように笑いながら、彼女に向き合う勇気もなかったレイヴンは、なにも言わずに戦に出立するのだった。



***

「え? 戦へ行ったのですか!?」


 寝台で本を読んでいたセレアがその事実を知ったのは、数時間後のことだった。



< 157 / 281 >

この作品をシェア

pagetop