軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
森を模したような自然、空の見える吹き抜けの天井。人為的に作られたとはいえ、誰もが馬鹿みたいに大神官に陶酔し、自由な考えを奪われたあの神殿より開放的で心が軽くなる。
「こんにちは、獅子神」
上座以外は土が敷かれているので、ドレスの裾を持ち上げながらこの地に御座す神へと歩み寄る。
セレアの気配を感じ取ったのか、目をつむっていた獅子がゆっくりと体を起こしてこちらを凛と見据えた。
「真っ白な体に、赤い目……」
(囚われの身でいうならば、彼も私と同じね)
初めに誰かが変わった容姿を持つアルビノの獅子を神と呼び、それを信じた人間たちは代々崇めるようになった。