軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


 まさか、彼がそんな恥ずかしい台詞を口にしてくれるとは思ってもみなかったので、頬がカッと熱を持った。


(私の旦那様は時々、不意打ちにときめかせてくるので困るのよね)


 太陽が高くなっていくのを、窓から差し込む日差しの多さから感じる。


それでも彼から離れたくなかったセレアは、その首に腕を回して自分からも熱を分け与えるように触れたのだった。





 愛しの旦那様が仕事に向かってから数時間後、部屋に侍女が訪ねてきた。


なんでも、レイヴンから庭園まで来るようにと言伝を預かったらしい。


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