軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「おかしなことを言うな。綺麗なのは世界でお前ひとりだけだ」
ゆっくりと、彼の熱い吐息がセレアの白い首筋を撫でる。そのまま唇を押しつけられて、ビクリと体が跳ねた。その反応に、レイヴンが「うっ」と苦しげに呻く。
「はあ……長くは持ちそうにないな」
首筋に顔を埋めたまま、レイヴンが呟く。理由はよくわからないが、慰めるようにその頭を抱きしめてあげた。
「元気を出して、旦那様」
「――っ、俺を殺す気か。クソッ、可愛すぎる」
(ええっ)
悲鳴は彼の唇によって、吸い込まれてしまった。それ以上喋るなと言わんばかりに、強く唇を押しつけられる。