軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「永久に愛している」
(ああ、ついに彼にすべてをあげられるのね)
彼の首に回していた腕を一度外される。
かわりに手を繋がれて、指のひとつひとつを絡めるようにして固く握り合うとセレアは喜びに満ちた顔で微笑んだ。
「レイヴンっ、私も愛しています……永久に」
息を切らしながらなんとか伝えると、切なさと激情を孕んだ瞳に見つめられる。
その瞳を綺麗だと見惚れているセレアの体は、彼の切ないほどに熱い猛りによって貫かれた。
生まれた瞬間から、誰に穢されたこともない純潔の花が愛する人によって散る。
この瞬間、世界が生まれ変わったかのように色鮮やかに見えた。
「誰にも奪わせない、お前は俺の最愛の宝だ」
自分のものではない鼓動が聞こえる。重なり合った部分から、彼の想いが流れ込んできて、セレアは喜びに涙を滲ませた。
ふと彼の肩越しから、ぼやけた弓なりの月が見えた。
(なんて、きれいなの……)
この夜を永遠に忘れない。愛する人と真に結ばれたセレアは、この目に映すもの、彼の唇から紡がれる愛の言葉のすべてを心に刻む。
こうして月が西に沈み空が明らむまで、ふたりは濃厚な時間を重ねて愛を確かめ合うのだった。
(END)


