嘘
「おい、大丈夫か!?」
足音と声で、ようやく俺の存在に気付いたその人物はゆっくり俺を見る。
「大丈夫?怪我してるのか?
・・って後藤じゃないか!」
「河原か・・・」
中から出てきたのは2年、そして今年も同じクラスになった後藤だった。
2年連続で同じクラスなのに、
“喋ったのはいつぶりだろう”って感じだけど。
とにかく、後藤は明らかに怪我をしていた。
唇が少し切れ、血を流し、目も少し腫れている。
「・・・・うっ。」
「おい!しっかりしろ!」
後藤は立っているのもしんどかったのか、俺にもたれかかる。
これは一旦寝かせた方がいいな。
その体を受け止め、ゆっくりと横にさせる。
「・・・ウッ・・ゴメン カワハラ・・」
「すぐに先生呼んできてやるから。
ちょっと待ってろ。」
後藤は安心したのか、ゆっくり目を閉じる。
とにかく、保健室・・・