嘘
「ただいまー。」
「ハ、ハヤター!!!」
ハルイチと別れ、玄関で靴を脱ぐと、母ちゃんの悲鳴が聞こえた。
「どうしたの!?」
急いでリビングへ走ると、母ちゃんがスプレーを持って立ち尽くしていた。
「出た!」
母ちゃんはそう言うとスプレーを俺に渡してくる。
・・・なるほど。
「どこ行った?」
「ソファの下ぐらい。」
「OK。」
母ちゃんの唯一の弱点。
カサカサと素早く動き回り、黒い悪魔と呼ばれるあいつだ・・。
たまに家に出ると、こうやって俺が退治する役目になっている。