残り100日の私と大好きな君

その日からほどなくして、私は酸素吸入器が手放せない体になった。

肺の悪いものがどんどん広がって、日に日に痛む日も増えて、咳も出るようになり、ついに呼吸も苦しくなってきた。

ご飯も、前と比べて食べれる量が減った。

そのせいか、私は自分でもわかるほど、目に見えてやつれていた。

髪の毛もなくて、こんなやつれた酷い顔で、顔色も悪くて、呼吸器をつけていないと苦しい

もう、本格的に酷くなってきたな…

奏汰くんに励まされて、奏汰くんともっと一緒に居たい一心で今でも治療を続けてるけど

こんな姿で、奏汰くんは私に振り向いてくれるのかな

こんなすぐ死んじゃう酷い姿の女なんか、嫌だよね

奏汰くんは最近、移植のための検査で部屋を開ける時間が増えていた。

その間、私は奏汰くんにバレないように、ずっと泣いていた。

泣くと、息が苦しくなる

けど、泣いていないとやってられないほど、毎日が辛かった。

週何日かの透析、毎日の抗がん剤、たまに放射線治療

後ろのふたつの影響はとても大きかった。

体中の毛という毛は全部抜けて、ほぼ常に目眩と吐き気と高熱に襲われている。

口の中には口内炎がいっぱい出来て、ご飯を食べるのもかなりの苦痛。

吐きすぎると、咳の中に血が混じる。

生き地獄ってこういう事なのかなって

それでも、奏汰くんのお陰でなんとか毎日を乗り越えている。

調子がいい日は、プレイルームに連れて行ってくれる。

暇な時は、気を紛らわすために一緒にゲームをして遊んでくれる。

苦しくて眠れない夜は、私が寝付くまでそばにいて、いろんな話をしてくれる。

奏汰くんだって、病気を抱えて辛いはずなのに、私には笑顔を向けてくれる。

私なんて、つい何か月前まで他人だったのに、家族みたいに……いや、家族以上に優しくしてくれる。

本当に、奏汰くんが同じ病室で良かった。

これが、神様が私にくれた最大の幸運なんだろうな
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