残り100日の私と大好きな君
奏汰Side

最近、咲楽ちゃんの病状が目に見えるくらい、日に日に悪くなっていってる。

毎日苦しそうに、それでも精一杯頑張ってる。

僕には、咲楽ちゃんの苦しさはわからない。

けど、その苦しそうな表情と涙の量を見れば、なんとなく察しはついた。

咲楽ちゃんは最近寝言をよく言っている。

「……まだ…………まだ、ダメ…そっちには、行かない」

「…奏汰くん…………と……一緒に………居たい」

その弱々しい声に、僕は毎日心を痛めていた。

こんなに苦しいのに、頑張ってくれている

僕が、生きて欲しいって言ったから

もし、僕が咲楽ちゃんと同じ病室じゃなかったら、咲楽ちゃんはもっと早く死を選択していたのかもしれない。

もっと、早く楽になれていたのかもしれない。

けど、僕と同じ病室になったから、苦しい思いをしている。

もし、病気に苦しんでいるのが咲楽ちゃんじゃなくて、その人が死にたいって思うなら、僕はそれを止めない。

だって、苦しいことから逃れたくて、その人が選択したことでしょ?

でも、僕は咲楽ちゃんを失いたくないから……

僕には、咲楽ちゃんに苦しい思いをさせてまで、僕の願いを聞いてもらっている責任がある。

だから、できるだけ、咲楽ちゃんに付き添って、できるだけ、咲楽ちゃんが楽しめることを探す。

苦しい中でも、咲楽ちゃんが生きたいって思ってくれるように。

咲楽ちゃんが、生きてくれるように

そばでずっと見守って、応援したい。

だって、僕は咲楽ちゃんが大好きだから。
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