残り100日の私と大好きな君
「それじゃあ、咲楽ちゃん行きましょうか」

そう言って看護師さんが車椅子を持ってきてくれる。

私はよろよろしながらも、なんとか車椅子に座って、奏汰くんの方を向いた。

「じゃあね、行ってきます!!」

気丈に振舞ったつもりだったけど、やっぱり涙が出ちゃった。

「うん、行ってらっしゃい。また、あとでね」

コクン

"あとで"

手術で死んだら、私はもう奏汰くんとは二度と会えない。

"あとで会おう"っていう約束は、簡単な言葉だけど、奏汰くんからの私への励ましのメッセージがいっぱい詰まっているような気がした。
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