残り100日の私と大好きな君
ドアを開け、病室から廊下に出る。
ここから、エレベーターまでは一本道。
そーっと、そーっと……
「あれっ、咲楽ちゃ……、ってなんでここにいるの
!!」
しまった、看護師さんに見つかってしまった。
奏汰くんの顔を見ると、奏汰くんはまた悪戯っぽく笑ってから
「走るね!」
そう言って、エレベーターまで走った。
後ろから看護師さんが追いかけてくる。
久しぶりに体に風を感じる。
あぁ、楽しいな。
走るって、こんな感じだった。
気持ちいいなあ。
ちょうどいいタイミングで降りてきた、エレベーターに飛び乗り、急いでドアを閉める。
ドアの前では焦った看護師さんがなにやらどこかに電話をかけていた。