学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
彼女が…もし、柊くんと付き合ってたら…。
悠ちゃんが見たあれが本当だったら───。
ふとそんなことを考えてしまって、顔を横に振る。
ダメだ。
楽しむって、決めたんだもん。
初めて出てきた、女友達。
「静音、メイクしてんだね」
花火大会の会場まで歩いて向かっていると、鈴香ちゃんが私の顔を覗いてきた。
「え、あっ、うん。せっかくだからって!ママが」
「そっか〜。静音はお母さんと仲良いね。めっちゃ良い人だし。すごい綺麗だし」
「そうかな?普通だよ。鈴香ちゃん、この間泊まりに来たとき、すごい緊張してたね」
鈴香ちゃんは私の家に泊まった唯一の友達だ。
あ、そういえばその後に…。
悠ちゃんが鈴香ちゃんを睨んだあの光景を思い出して、また胸がざわざわする。