学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


彼女が…もし、柊くんと付き合ってたら…。


悠ちゃんが見たあれが本当だったら───。


ふとそんなことを考えてしまって、顔を横に振る。



ダメだ。


楽しむって、決めたんだもん。



初めて出てきた、女友達。



「静音、メイクしてんだね」


花火大会の会場まで歩いて向かっていると、鈴香ちゃんが私の顔を覗いてきた。


「え、あっ、うん。せっかくだからって!ママが」


「そっか〜。静音はお母さんと仲良いね。めっちゃ良い人だし。すごい綺麗だし」


「そうかな?普通だよ。鈴香ちゃん、この間泊まりに来たとき、すごい緊張してたね」


鈴香ちゃんは私の家に泊まった唯一の友達だ。


あ、そういえばその後に…。


悠ちゃんが鈴香ちゃんを睨んだあの光景を思い出して、また胸がざわざわする。


< 229 / 341 >

この作品をシェア

pagetop