学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます





「よーし!全員着れた?そろそろだよ!」



体育館の舞台裏。



衣装作りのメンバーである私たちは、ダンスメンバーの衣装を最終チェックをする。



「あーなんか緊張するわー」


「え〜鈴香ちゃんらしくないな〜」


「だって、学園祭とか初めてなんだもん。あんなたくさんの人の前で踊るとか」


袖からチラッと客席をみた鈴香ちゃんは、人の多さにひぇ〜と声を漏らした。



「ちゃんとみてるからね」


「うん。よろしく」


鈴香ちゃんはそう言って、笑顔で私の手をギュッと握った。


やっぱり何度だって思う。


この温かさを大切にしたい。


鈴香ちゃんの後ろからこちらを見てる小野さんの視線が気になったけど、


怖いよりも、鈴香ちゃんを守るんだって気持ちの方が大きい。


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