四季
四季4
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夏が近づいて来た六月。
梅雨の時期の六月。
そんな六月第三土曜日に体育祭が始まった。
部活の大会や練習で忙しい人には迷惑かも知れない。
教師達いわく、気分転換だそうだ。本当に気分転換になるかは怪しいものだ。
本日は晴天。貴重な晴れの日に恵まれた。
体育祭と言ってもサッカーやバスケが主な内容だ。球技大会と言った方が、しっくり来るかも知れない。
雨の場合は、男女両方バスケなのだが、今日は晴れなので男子はサッカー、女子はバスケになった。例年通りと言えば例年通り。今年もケガなく終わることを望む。
ちなみに、一年生は応援で試合には参加しない。二年生と三年生が試合に参加することになっている。
三年一組男子のサッカーはシードなので試合まで時間がある。決勝戦までの体力の温存である。
俺はそれまで、女子のバスケを観に行くことにした。
第一試合は、三年一組と三年二組の試合だ。
春はスコアを管理するみたいだ。
冬真はレギュラーみたいだ。
あ、夏美も二組のレギュラーみたいだ。
冬真、頑張れ!
夏美、頑張れ!
どっちも頑張れ!
両方応援したいが、俺は三年一組。冬真を応援させてもらう。
五人、五人、計十人がコートに立つ。審判合わせて、十一人か。
両者、挨拶を終え、それぞれのポジションへ。
ジャンパーは冬真と夏美。背は両方とも高くはない。ジャンプ力勝負だろう。
審判がボールを構える。
今、試合が始まろうとしている。





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