四季
32


ボールが高くあげられた。
両者とも高くジャンプする。
ボールを征したのは夏美。ボールを味方にはじく。そのまま、一気にドリブルし、目の前に現れた敵にフェイントし、シュート。二点、点数が追加された。
冬真チーム。ボールはこびは冬真のようだ。パス回しも上手く、ディフェンスが追いつかない。夏美も苦戦しているようだ。
ボールが冬真に回った。冬真には夏美がディフェンスでついた。
シュートのフェイント後、ドリブルしゴール下へ。レイアップシュート。二点、スコアが追加された。
観客からはおーと言う声がこぼれ落ちる。
夏美チーム。こちらもゲームはこびは夏美のようだ。
夏美はドリブルやパスでディフェンスをかき混ぜる。わずかに手薄になった場所からシュート。ゴールへの軌道は少しズレ、リングにあたる。ボールは宙を舞う。
リバウンド。
これを征したのは冬真。そして、ゴール下にいる味方に長距離パスをする。ボールはシュートされ、二点追加。
夏美チーム。
夏美がボールをはこぶ。ディフェンスでついたのは冬真。激しい競り合いの中ようやく夏美はシュートを打った。
ピー。
ファウル。フリースロー。
冬真が夏美の腕を叩いたのだ。
ツースロー与えられた。これを夏美は落ち着いて決め、二点追加。
冬真チーム。
やはり、ボールはこびは冬真。
ディフェンスの動きが良く、なかなかシュートできない。
ゴール下でのシュートを諦めて、スリーポイントシュートエリアへ。
そこで、丁寧にスリーポイントシュートを打つ。
キレイな弧を描き、決まった。三点追加。
冬真チームの方が少し優勢か。しかし、夏美チームも負けていない。
前半を冬真チームが二十点、夏美チームが二十一点で終えて、五分間の休憩。
冬真は仲間と作戦会議をしている模様。一方夏美は、タオルを頭から被りイスに座っている。
そのまま時間が流れる。
ピー。
休憩時間が終わった。
後半も互いに一歩も譲らない攻防が続いた。
そして、第四クォーター終了十秒前。
必死に夏美はディフェンスを崩す。夏美にはゾーンプレスが仕掛けられていた。
仕方なくボールを一旦パス。味方がディフェンスをかき混ぜてくれたお陰で夏美がフリーになる。
三秒前。
「夏美!」
パスはスリーポイントシュートエリアにいる夏美に届いた。
そして、落ち着いてシュート。
二、一。
ボールは美しい弧を描き、リングに吸い込まれていった。
ピー。
試合終了。
結果、四十六対四十七で夏美チームの勝利。
選手達は拍手喝采を浴びた。





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