四季
33


千秋 side

「いいなー。冬真さんや夏美さんみたく元気に走り回りたい。そう思うでしょ、暦」
「……」
「暦?」
「ううん。ワタシはそうは思わない。千秋は千秋のままでいい……」
「そ、そっかなあ。ありがと、暦」
試合後大樹は冬真さんや夏美さんと話をしている。
楽しそうな大樹達。
私は、冬真さんと夏美さんに小さな嫉妬を覚えた。これが、好きという感情なんだろうか。
もしかしたら私、大樹が好きなのかもしれない。そう思った。
拍手喝采の中、私はただ、大樹達を見つめることしかできなかった。


End





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