それもまた一つの選択
「トキさんが悪いんじゃないです…。
全部、私が悪いんです。家の騒動に巻き込んでしまったのはこちらです」
トキさんを抱きしめたまま、私はゆっくりとお母様の方を向いた。
目に大粒の涙を浮かべたお母様は手を下ろして私を見つめていた。
「私はトキさんと一緒に過ごせるなら。
高校を辞めてもいいです。だってトキさんは。
私を閉じ込められていた世界から外の世界へ出してくれたから」
そう言って私はトキさんをぎゅっと抱きしめる。
トキさんとなら、前を向いて歩いていける。
何が起ころうとも。
それをバネにして…。
「…お兄ちゃん、良かったね」
俯いていた浩貴君が顔を上げた。
「初めて付き合った彼女と結婚するんだ…おめでとう。
お母さん、許してあげて?
お兄ちゃん、お父さんみたいに働いてないとかそんなんじゃない。
お兄ちゃんはもう、一生遊んで暮らせるくらいのお金を稼いでいるし。
二人がそう決めたなら祝福してあげようよ」
その瞬間、お母様は号泣した。
「お兄ちゃん、遥ちゃん、おめでとう」
優貴ちゃんもお母様の背中を撫でながら言う。
「お母さんは結婚して苦労が多かったからそう言うのよね。
でもね、遥ちゃんはね。
最初寝ているお兄ちゃんの顔を見て、幸せそうだなって思ったのよ。
こういう幸せそうな顔をして寝る人が私を…助けてくれたらそれだけ幸せだろうって思ったって言ってたから。
ね、遥ちゃん?」
前に一度、優貴ちゃんに話した事だった。
私は頷く。
「トキさんはあの父相手に…。
仕事上での交渉もされていましたし、私との事も父に認めさせてくれました。
父もトキさんの事を認めています。
…認めていないのは母だけですが、父には文句言えません。
それだけでも…トキさんが私をあの家から自由にしてくださった事は大きいです」
だって現に。
門限5時は事実上、今日無くなった。
お父様は家を出ろって言ってくださった。
来年の春には…赤ちゃんが生まれる。
それまで2人の時間を大切にしろ、という事。
「ただ、自由というのは責任も追います。
これからはその責任を背負わなければなりません。
どこまで出来るかわかりませんが頑張ります」
もう、後戻りなんて出来ない。
でも、トキさんとなら後戻りしたいなんて思わない。
私は…トキさんとこれから先、二人で歩んでいくのだから。
全部、私が悪いんです。家の騒動に巻き込んでしまったのはこちらです」
トキさんを抱きしめたまま、私はゆっくりとお母様の方を向いた。
目に大粒の涙を浮かべたお母様は手を下ろして私を見つめていた。
「私はトキさんと一緒に過ごせるなら。
高校を辞めてもいいです。だってトキさんは。
私を閉じ込められていた世界から外の世界へ出してくれたから」
そう言って私はトキさんをぎゅっと抱きしめる。
トキさんとなら、前を向いて歩いていける。
何が起ころうとも。
それをバネにして…。
「…お兄ちゃん、良かったね」
俯いていた浩貴君が顔を上げた。
「初めて付き合った彼女と結婚するんだ…おめでとう。
お母さん、許してあげて?
お兄ちゃん、お父さんみたいに働いてないとかそんなんじゃない。
お兄ちゃんはもう、一生遊んで暮らせるくらいのお金を稼いでいるし。
二人がそう決めたなら祝福してあげようよ」
その瞬間、お母様は号泣した。
「お兄ちゃん、遥ちゃん、おめでとう」
優貴ちゃんもお母様の背中を撫でながら言う。
「お母さんは結婚して苦労が多かったからそう言うのよね。
でもね、遥ちゃんはね。
最初寝ているお兄ちゃんの顔を見て、幸せそうだなって思ったのよ。
こういう幸せそうな顔をして寝る人が私を…助けてくれたらそれだけ幸せだろうって思ったって言ってたから。
ね、遥ちゃん?」
前に一度、優貴ちゃんに話した事だった。
私は頷く。
「トキさんはあの父相手に…。
仕事上での交渉もされていましたし、私との事も父に認めさせてくれました。
父もトキさんの事を認めています。
…認めていないのは母だけですが、父には文句言えません。
それだけでも…トキさんが私をあの家から自由にしてくださった事は大きいです」
だって現に。
門限5時は事実上、今日無くなった。
お父様は家を出ろって言ってくださった。
来年の春には…赤ちゃんが生まれる。
それまで2人の時間を大切にしろ、という事。
「ただ、自由というのは責任も追います。
これからはその責任を背負わなければなりません。
どこまで出来るかわかりませんが頑張ります」
もう、後戻りなんて出来ない。
でも、トキさんとなら後戻りしたいなんて思わない。
私は…トキさんとこれから先、二人で歩んでいくのだから。