虹のふもと


家にいなくてもいい時間は好きだ。


両親に会わなくてもすむことはもちろん、




あの閉ざされた独特の空間が僕は嫌いだ。







昔は、そんなこと無かったのに。




雨にうたれ、そんなことをぼんやり考えながら家に向かって歩いた。




そのとき、ふと思った。


もう、逃げ出してしまおう。








僕は、今まで家に向かっていた足をくるりと反対に向けて、歩き出した。



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