囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
「大丈夫か?」

ペタペタと私の身体に触れながら確認した彰貴さんに笑って返した

「あ、はい!大丈夫です。雑草ですから丈夫なんです」

何よりも彰貴さんに迷惑を掛けてしまって…
それが辛い

「嘘の上に嘘まで重ねて守ってくださって有難うございます」

「は?」

彰貴さんの眉間のシワを不機嫌そうに寄せる

(私に対しては久しぶりかも…この表情)

妙に懐かしいような感じで眺めたが…

そういえばまだパーティーは続いていると思い出す

主役が抜けてはマズイのでは?
と慌てて彰貴さんの腕を引っ張った


「大丈夫です、立派に最後まで演じますから…そろそろ会場に戻らないと……っきゃっ!?」

すると逆に手を引かれて会場とは反対に通路を進み始めた

「あ、あの!どこへ?!」


「いいからちょっと…来なさい!」

彰貴さんは大股で歩きながら私を引っ張ると
控室の扉を乱暴にあけてそこに引き摺り込んだ…

そのまま抱き上げられ、大きなソファーに投げられるように下ろされると
ふかふかのソファースプリングに身体が跳ねた

「わっ!!」

見下ろす彰貴さんの冷たい氷のような表情に
背筋が凍る……

(何か粗相したかな…)

「あのさ、いつまで偽物のつもりで居るんだよ」

「へ?」

彰貴さんの瞳が寂しそうに揺れて長い指が私の頬をなぞる

「とっくに偽物の婚約者の契約なんて解消してる…」

「き、聞いてないです!」

「だって傍に居てくれって言ったじゃないか!二人きりで嘘ついてどうするんだよ……ああ、もうっ!」

(だって好きだなんて言われてませんよ?)

彰貴さんは私から離れて頭をくしゃりと掻き混ぜた
クルクルと部屋を歩き回ったかと思うと
何やら動きを止めて……

今度は艶やかな笑顔に唇を片側だけキュッと引き上げて
こちらを見下ろした

(な、何?この何かを企んだかのような笑顔は!!)

「那寿奈はオレを好きでいてくれてる?」

黒曜石のように輝く瞳が私を捉える

そんなの答えは簡単だいつだって私は囚われている…身分もそして心も…

「はい…たとえ貴方が私を好きではなくても…私は貴方が好きです」

そういうと彰貴さんがソファーの私の隣に座り込み腰を引き寄せて身体の上に抱きかかえた

「好きじゃないと思う?」

「え?」

抱っこをされて…至近距離の彰貴さんの美しい顔は壮絶なまでの色気を湛えていて…

(心臓に悪い!!)

「…わかんないかな?
オレは…とっくに君に堕ちてる…君が、那寿奈が好きだ…」











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