囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
いつものように怒涛のランチタイムを過ごし
13時半を過ぎるとお客さんも疎らになり、そこでほっと一息つける
…ランチタイムの終了は一応14時なので、そこまでは店内が見渡せる奥で過ごす
ジッとしていると、先程のニュースが頭をよぎる
(何かあったのだろう…あれほど強気だった祖父が…)
私を切り捨てた冷たい人だけれど…
なにがあったのかは気になった
(大丈夫だろうか…)
そんな風に考えていたら時計は14時を過ぎ…
店内にお客さんが来ないのを確認してから表の暖簾を下げようと奥から店内に顔を出したその時…
「失礼…まだ食べられるかな?」
入ってきたお客さんがいた
おかみさんが店内にいて
「どうぞー!」
と声を掛けていた
…私は震える…
(この声……)
「…一番早いのをお願いしたい…」
優雅な所作で椅子に座り、注文する姿が見えた時私は奥に隠れて動けなかった
「はいはい、A定食よろしく!って那寿奈ちゃん何してるの…」
奥でしゃがんでいる姿を見つけられおかみさんが不思議そうに私に話しかけた…
(よ、呼ばないでください…)
けれど仕事だ
出来上がった定食をお客さんに持っていく
(どうして?どうして来たの…)
「どうぞ、A定食です」
恐る恐る差し出すとお客さんは静かに頭を下げた
「ありがとう…いただきます…」
私はゆっくり後ろに戻るとおかみさんが心配そうに私を見た
その時
「ご主人、おかみさん…申し訳ない少しその従業員さんをお貸し願えないだろうか」
「む、無理です!!」
私はそう言って叫ぶけれど…
おかみさんがそっと背中を押した
「ちゃんと話し合っておいで…」
事情がありそうだと気づいたのかもしれない
「はい、どうぞ…私らは奥に居ますからここでお話ししてください」
おかみさんは私を席まで連れてくると
微笑んでからポンと背中をもう一度押した
近くに来れば嫌でも感じる
…爽やかな柑橘系の香り、愛おしい人の香り
「那寿奈…」
アーモンド型の大きくて艶やかな黒曜石の瞳が私を見つめる
「なんで…どうして来たんですか…彰貴さん…」
真っ直ぐに顔が見られない
見たら…
(泣いてしまいそうだ)
「なんでって…君を迎えに来た
…すべて憂いは取り除いたから、帰っておいで那寿奈…」
優しい声音に今にもその、胸に飛び込みたくなるけれど
それは出来ない
「でもそうしたら貴方に迷惑が…」
その言葉に彰貴さんが顎を上げて微笑む
「だから、すべて憂いは取り除いたよ…君のお祖父さまの件はもう片付いた、もう一回言うよ」
彰貴さんが立ち上がって
立ち尽くす私の身体を引き寄せて強く抱き締めた
「戻ってきなさい…君はオレに囚われてるんだから
…勝手に出ていくなんてことは許されないよ?」
優しい言葉についに涙が零れ落ちた
涙は止まらなくてあとからあとから落ちていく
「那寿奈…離さないと言っただろう?」
私の肩口に顔を埋めた彰貴さんが
震える声で囁いた
「君が居なかったら誰がオレを癒やしてくれるんだ…」
毎晩一人で寝るたびに…
このぬくもりに会いたくて泣いていた
「那寿奈、帰ってくるんだ…」
私は堪えきれずに頷いて声を上げて泣いてしまった
「彰貴さ…んっ」
13時半を過ぎるとお客さんも疎らになり、そこでほっと一息つける
…ランチタイムの終了は一応14時なので、そこまでは店内が見渡せる奥で過ごす
ジッとしていると、先程のニュースが頭をよぎる
(何かあったのだろう…あれほど強気だった祖父が…)
私を切り捨てた冷たい人だけれど…
なにがあったのかは気になった
(大丈夫だろうか…)
そんな風に考えていたら時計は14時を過ぎ…
店内にお客さんが来ないのを確認してから表の暖簾を下げようと奥から店内に顔を出したその時…
「失礼…まだ食べられるかな?」
入ってきたお客さんがいた
おかみさんが店内にいて
「どうぞー!」
と声を掛けていた
…私は震える…
(この声……)
「…一番早いのをお願いしたい…」
優雅な所作で椅子に座り、注文する姿が見えた時私は奥に隠れて動けなかった
「はいはい、A定食よろしく!って那寿奈ちゃん何してるの…」
奥でしゃがんでいる姿を見つけられおかみさんが不思議そうに私に話しかけた…
(よ、呼ばないでください…)
けれど仕事だ
出来上がった定食をお客さんに持っていく
(どうして?どうして来たの…)
「どうぞ、A定食です」
恐る恐る差し出すとお客さんは静かに頭を下げた
「ありがとう…いただきます…」
私はゆっくり後ろに戻るとおかみさんが心配そうに私を見た
その時
「ご主人、おかみさん…申し訳ない少しその従業員さんをお貸し願えないだろうか」
「む、無理です!!」
私はそう言って叫ぶけれど…
おかみさんがそっと背中を押した
「ちゃんと話し合っておいで…」
事情がありそうだと気づいたのかもしれない
「はい、どうぞ…私らは奥に居ますからここでお話ししてください」
おかみさんは私を席まで連れてくると
微笑んでからポンと背中をもう一度押した
近くに来れば嫌でも感じる
…爽やかな柑橘系の香り、愛おしい人の香り
「那寿奈…」
アーモンド型の大きくて艶やかな黒曜石の瞳が私を見つめる
「なんで…どうして来たんですか…彰貴さん…」
真っ直ぐに顔が見られない
見たら…
(泣いてしまいそうだ)
「なんでって…君を迎えに来た
…すべて憂いは取り除いたから、帰っておいで那寿奈…」
優しい声音に今にもその、胸に飛び込みたくなるけれど
それは出来ない
「でもそうしたら貴方に迷惑が…」
その言葉に彰貴さんが顎を上げて微笑む
「だから、すべて憂いは取り除いたよ…君のお祖父さまの件はもう片付いた、もう一回言うよ」
彰貴さんが立ち上がって
立ち尽くす私の身体を引き寄せて強く抱き締めた
「戻ってきなさい…君はオレに囚われてるんだから
…勝手に出ていくなんてことは許されないよ?」
優しい言葉についに涙が零れ落ちた
涙は止まらなくてあとからあとから落ちていく
「那寿奈…離さないと言っただろう?」
私の肩口に顔を埋めた彰貴さんが
震える声で囁いた
「君が居なかったら誰がオレを癒やしてくれるんだ…」
毎晩一人で寝るたびに…
このぬくもりに会いたくて泣いていた
「那寿奈、帰ってくるんだ…」
私は堪えきれずに頷いて声を上げて泣いてしまった
「彰貴さ…んっ」