愛してない。
「名前…は?」
「相澤陽っていうから!!」
名前だけ言い残してどこかへ去って行った。
今まで男子とかとしゃべったことなかったから
少し緊張する自分がいた。
そして涙はいつの間にか止まっていて
少し笑みがあふれた。
相澤陽か。
なんか可愛い人―――…
そんなことを思いながら少し笑った。
雑だったホチキスの止め方も
まただんだんと丁寧になっていく。
なんかおかしい…
この気持ちに気付いたのは
ずっとずっと先のこと…。