誓いのキスを何度でも
部屋に戻ると誠一と誠太郎はもう、眠ったみたいだ。

寝室の明かりは小さく落とされ、誠太郎の寝息が聞こえる。

あいかわらず、布団は3つ敷いてあるけど、誠一は誠太郎と一緒の布団で寝ている。

私は微笑ましい気持ちで、パジャマと下着を用意して、お風呂に入る事にした。

お風呂の中で溢れる涙をこすって、顔を洗う。

私とシンさんの5年間は終わってしまった。

と少しだけ感傷的になっている。


浴室を出て、キャミソールににズボンだけ履いてリビングに出ると、

誠一がダイニングテーブルの前に座ってビールを飲んでいた。

「おきてたんだ。」と髪を拭きながら聞くと、

「普通、寝られない。」

「ヤキモチ?」

「まあね。ちゃんと別れたんだよな」

不機嫌な表情を見せるのでおかしくなり、

「そうね」

とくすんと笑うと、椅子から立ち上がって私を捕まえ、唇を合わせる。



「果歩の全部は俺のもの?」と柔らかく唇を重ねながら私に聞く。

「そういうことかな?」

「…俺が誠太郎の父親だから、選んだの?」

「そうじゃないよ。
誠太郎の父親ってだけならシンさんでも良い父親になってくれたと思う…
私が誠一と一緒にいたかったから。じゃないかな」

と私が言うと、満足気に頷き、私を抱き上げ、いつのまにかリビングに敷かれたていた布団に
そっと寝かせた。


「果歩が好き。
誰にも渡したくない。」
と言って私をみつめ何度もくちづけし、ゆっくり服を脱がせていく。

何度身体を重ねても毎回ドキドキする。

私の身体の上にいくつもキスが落とされ、ため息と甘い声が重なっていく。

誠一は愛してると何度も囁きながら私を深く抱きしめ、身体を繋げる。

私が疲れて眠ってしまうまで私の身体を離さず、私の中に自分を刻み込んでいった。










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