この手だけは、ぜったい離さない
窓に両手をつけたまま振り返ると、みっちゃんは頬を膨らませる私を見て「そのまんまあかりだよ」と吹きだした。
「見た目も変わってないからすぐわかったしね。ほら、あかりって小動物みたいな感じじゃん?」
「小動物って……あぁ、うん。ほんっとよく言われるわ、それ…」
背がひくいから、とか。
黒目がちの二重の目がハムスターっぽい、とか。
頬がふっくらしてるから、とか。
輪郭がまるいから、とか。
すばしっこいから、とか。
都会でできた友達からは『ハムスターみたいだからハム子』なーんて呼ばれていたときもあったくらい。
「みっちゃんはいいよねぇ。モデルさんみたいでスラッとしてて美人だし。もうモテる要素しかないじゃん?」
「いやいや、モテないよ。っていうか中学生のころから付き合ってる彼氏がいるから。別にモテなくても……」
「えぇーっ、みっちゃん彼氏いるの⁉」
私なんて、16歳だってのに初恋すらまだだよ?
彼氏なんか夢のまた夢って思ってるのに?