さすれば恋となる

私が悪いのか?

よく考えてみれば、緋衣呂君が紛らわしい事をしたと思う。

緋衣呂君の名前も何もなく、昼休みに図書室でだなんて勘違いもする。

教室に戻る私の顔は、何ともブス。



「 あはは、ちょっと詩乃~ その顔 」

「 何よ、逆にフラれでもしたの?」

「 なんで笑うかなぁ、告白でもなんでもなかったし、しかもあの紙は緋衣呂君が私に宛てたやつだったの 」



さすがに驚く二人。

さらには怒ってる事も伝え、キスしてもらえない罰が与えられたと話した。

二人が互いに見合って、しまいには吹き出した。

私はさらにブスになった。



「 ひど!」

「 ごめん、ごめん詩乃。池沢 緋衣呂、ちょっとくせ者かもね 」

「 あ~ それあるかもよ、詩乃。怒るって事はたぶん、詩乃を試したんじゃない?
メッセージをどう受け取るか… 」



緋衣呂君が?

私を試す? 何のために……



「 まさか、でもあり得るかもね…… 詩乃は浮かれてたしね、そりゃ怒るね 」



もう、二人は誰の味方なのっ

キスしない宣言受ける彼女がどこにいるの……


はぁ……




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