さすれば恋となる
付き合い初めてから緋衣呂君は必ず迎えに来てくれる。
今日の緋衣呂君は機嫌が悪い。
迎えに来なかったらどうしよう……
「 詩乃~ 彼氏さんお迎えだよ 」
呼ばれて見れば教室のドアのところに緋衣呂君がいる。
気分がパァーと晴れていく。
「 緋衣呂君、迎えに来てくれたんだ 」
「 もちろん 」
ほら、この優しい笑み。
私を見ての笑み。
「 嬉しい、ありがと 」
緋衣呂君と校舎を出ると、緋衣呂君が言った。
「 また、他の奴だと思われたくないからね 」
な……
根にもってる?
「 詩乃の彼氏は、俺だから。俺意外はダメだ 」
言われて、嬉しい。
私は緋衣呂君の… そう言われている。
意外とヤキモチが激しいと判断したが、それが私には嬉しい事。
「 緋衣呂君、手 繋がない?」
「 嫌だ 」
えっ!!
ねぇ、今… 嫌だって言った?
緋衣呂君は機嫌が悪い。
ご機嫌取りをしなくては…… そう思うもなにをしていいかわからない。
キスもダメで、手もダメですか……
かわいそうな私……