さすれば恋となる
手を繋いでる自分が照れくさい。
繋いだ手を辿れば緋衣呂君が見える。
嬉しい、それしかない。
「 この手… 離したくないなぁ…… 」
「 ん?」
「 え、あ、ううん 」
ほんとに離したくないなぁ……
緋衣呂君の手、あったかいもん。
「 詩乃、本屋行くよ 」
緋衣呂君が本屋に入ると、別々で本を見ようと言って私の手は離されてしまった。
温もりがまだあるなかで緋衣呂君は見たい本のコーナーへ。
私は雑誌コーナーへ。
静かな、寂しいと感じる時間が過ぎていく。
緋衣呂君が気になり、こっそり遠目から見たり本を盾にして覗き見していた。
なかなか緋衣呂君は本を手放さない。
緋衣呂君って本好きなんだ……
私はあんなに集中して見ないからなぁ
漫画なら読むけど……
もう行こ、って言えないしどうしようか?
あ、隣にある百均でも行ってようかな……
本に夢中な緋衣呂君に声がかけにくく、ラインだけして百均へと行った。
このラインに緋衣呂君が気づかず、私は探される事となる……