さすれば恋となる

さらに驚くべき事態が起きる。



「 詩乃の彼氏… 叔父です、詩乃と仲良くしてやってね 」

「 はい、こちらこそ 」



二人を見ていて気持ちが暖かく感じた。

さらには緋衣呂君が叔父さんとばかり話していて何やら楽しそうで。

それは見てて嬉しいのだけど……



「 私ちょっとトイレ 」



二人に声をかけてトイレへ。

そして二人の楽しげな雰囲気は突然変わった。



「 で、いかにも社交辞令な挨拶だったが、お前そんな可愛いキャラじゃないんだろ 」

「 ……よくお分かりで、叔父さん。社交辞令なんて今時 普通に言えますよ 」

「 だろうな、生意気で生きてんだもんな。ある意味、世渡り上手ってとこだろ?
ただ、心がない 」

「 心が? 詩乃にだけはありますよ、彼女ですからね、未来には俺がいますから 」

「 未来? 笑わすな、まだまだ先じゃねぇか 」




そう、先はわからない。

誰にも。

ただ、私の知らないところで叔父さんと緋衣呂君がそんな話をしてたなんて知ることは……



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