【短】君のこと、離してなんてあげない。
車内はほんのりタバコのニオイがする。
イメージ通りといえばイメージ通り。
だけど、吸ってるところなんて見たことがなかった。
これからあたしはあなたのこと、もっともっと知ることができるんですね?
「俺ね。こう願ってたんだ」
運転席に乗り込んできたオーナーが、助手席に座るあたしに耳打ちしてきた。
ささやき声が、なんだかくすぐったい。
「ひとめ見たときから。雪華ちゃんが俺のになればいいのにって」
「……!!」
「その願いを叶えられて嬉しい」
正気ですか。
「あたしみたいな子供でいいんですか」
「雪華ちゃんがいいの」
……ほんとに?
「子供とか。大人とか」
「?」
「オーナーとか。アルバイトとか。今夜はそういうの忘れてよ」
「……はい」
「いい子だ。可愛がってあげる」