Dear Hero
ショップで紺野がじっと見つめているのは、小さなマスコットがついたストラップ。
「欲しいの?」
「え!?ううん、私は買わないよ!?」
「そんなに物欲しそうな顔しておいて?」
「だって…今日はテツくんの誕生日デートでしょ?だったら私が買う方じゃない」
「え、俺にプレゼントくれるの?」
「あぁもう!そんな事言われたら買うに買えないじゃない!」
プンスコしながらショップを出て行ってしまった。
紺野が見ていたコーナーをチラリと見る。
……ふーん。
「何してたの?」
「紺野がどこ行ったのか探してた」
「すぐにお店出たの見てたでしょ?」
「……というのは冗談で、これ」
ショップの前で退屈そうに待っていた紺野の目の前で、小さな紙袋をチラつかせると反射的に手を前に出す。
「なに?これ」
「開けてみて」
不思議そうな顔をしながら渡された紙袋を開けると、出てきたのは先ほどまで紺野が見ていた、ペンギンのマスコットがついたストラップ。
「……っこれ!」
「プレゼント」
「どうして?もらえないよ、私何もしてないのに」
「今日、付き合ってくれたから」
「……っ」
「この先、これを見て紺野が今日の事を思い出してくれたらいいなって思って」
「どうして……ペンギン……」
「あんだけペンギンの所に居座っておいて、キライなんて言われたら俺は人を信じられなくなるぞ」
「私も……テツくんに返さなきゃ」
「残念ながら、このシリーズにシャチはなかったんだよな」
「………」
「俺は、今日紺野と一緒に来れただけで充分」
「いらない?」と紺野の手からストラップを取り上げると、無言で取り返された。
「……ずるい」なんてぼやきながら。
「欲しいの?」
「え!?ううん、私は買わないよ!?」
「そんなに物欲しそうな顔しておいて?」
「だって…今日はテツくんの誕生日デートでしょ?だったら私が買う方じゃない」
「え、俺にプレゼントくれるの?」
「あぁもう!そんな事言われたら買うに買えないじゃない!」
プンスコしながらショップを出て行ってしまった。
紺野が見ていたコーナーをチラリと見る。
……ふーん。
「何してたの?」
「紺野がどこ行ったのか探してた」
「すぐにお店出たの見てたでしょ?」
「……というのは冗談で、これ」
ショップの前で退屈そうに待っていた紺野の目の前で、小さな紙袋をチラつかせると反射的に手を前に出す。
「なに?これ」
「開けてみて」
不思議そうな顔をしながら渡された紙袋を開けると、出てきたのは先ほどまで紺野が見ていた、ペンギンのマスコットがついたストラップ。
「……っこれ!」
「プレゼント」
「どうして?もらえないよ、私何もしてないのに」
「今日、付き合ってくれたから」
「……っ」
「この先、これを見て紺野が今日の事を思い出してくれたらいいなって思って」
「どうして……ペンギン……」
「あんだけペンギンの所に居座っておいて、キライなんて言われたら俺は人を信じられなくなるぞ」
「私も……テツくんに返さなきゃ」
「残念ながら、このシリーズにシャチはなかったんだよな」
「………」
「俺は、今日紺野と一緒に来れただけで充分」
「いらない?」と紺野の手からストラップを取り上げると、無言で取り返された。
「……ずるい」なんてぼやきながら。