Dear Hero
「そうだ、これ」
俺の腕の中から抜け出した飛鳥は、小さな紙袋を持って戻ってくる。
帰り道、自分で持つと言っていたものだ。
「なに?」
「誕生日プレゼント」
「えっ!?」
「水族館行った時、私には買ってくれたのに自分では何も買わなかったでしょ?せっかくの初デートだったのに」
「確かに……。開けていい?」
「どーぞ」
紙袋からちょっと重めの箱を取り出すと、中から出てきたのはマグカップ。
しかも……
「シャチだ!!」
「えへへー。私がペンギンだったからシャチの何かにしたかったんだ」
「うっわ……やべぇ、めちゃくちゃ嬉しいぞ、これ…」
「気に入ってもらえた?」
「気に入るよ!当たり前だろ!大事に飾る!」
「使ってよ!」
「……飛鳥の代わりにキスしろって?」
「…っ使わなくていい!」
マグカップをテーブルに置くと、もう一度ぎゅっと抱き締めた。
俺の背中に回った手も、ぎゅっと抱き返してくれる。
「ありがとな。超幸せ」
「……私も」
「俺、やっと夢叶えられたかな」
「……夢?」
「飛鳥に幸せになって欲しかった」
「……叶ったね。それも、テツくんの手で」
「………最高だ」
頬にキスを落とすと、めいっぱいの笑顔がこちらを向いていた。
ずっとずっと恋い焦がれていたあの笑顔が、今、俺の腕の中に。
大護に向けてたのなんかより、比べ物にならないくらいかわいい笑顔が。
でも、ここがゴールじゃない。
いつまでも飛鳥が笑顔でい続けてくれるように、俺がもっともっと幸せにするんだ。
「なぁ、今週の土曜、空いてる?」
「うん、空いてる」
「……お前、ほんと暇なんだな……あ、痛い、ごめんなさい」
「なに?」
「うちでね、孝介と大護に俺の誕生日祝いしてもらうんだけど、飛鳥も来る?」
「え、楽しそう!行きたい!」
「水嶋も呼ぶか」
「水嶋さん!仲良くなりたいな」
「……ダイくんを盗った女とかいっていじめない?」
「いじめないよ!もうダイくんへの気持ちはないから!」
「よし、じゃあ……その時に大護に見せびらかしてやろう」
「なにを?」
「俺と飛鳥の仲睦まじい姿を。あいつ絶対驚くぞ……。どんな顔するかなぁ……」
「……悪い顔」
俺の腕の中から抜け出した飛鳥は、小さな紙袋を持って戻ってくる。
帰り道、自分で持つと言っていたものだ。
「なに?」
「誕生日プレゼント」
「えっ!?」
「水族館行った時、私には買ってくれたのに自分では何も買わなかったでしょ?せっかくの初デートだったのに」
「確かに……。開けていい?」
「どーぞ」
紙袋からちょっと重めの箱を取り出すと、中から出てきたのはマグカップ。
しかも……
「シャチだ!!」
「えへへー。私がペンギンだったからシャチの何かにしたかったんだ」
「うっわ……やべぇ、めちゃくちゃ嬉しいぞ、これ…」
「気に入ってもらえた?」
「気に入るよ!当たり前だろ!大事に飾る!」
「使ってよ!」
「……飛鳥の代わりにキスしろって?」
「…っ使わなくていい!」
マグカップをテーブルに置くと、もう一度ぎゅっと抱き締めた。
俺の背中に回った手も、ぎゅっと抱き返してくれる。
「ありがとな。超幸せ」
「……私も」
「俺、やっと夢叶えられたかな」
「……夢?」
「飛鳥に幸せになって欲しかった」
「……叶ったね。それも、テツくんの手で」
「………最高だ」
頬にキスを落とすと、めいっぱいの笑顔がこちらを向いていた。
ずっとずっと恋い焦がれていたあの笑顔が、今、俺の腕の中に。
大護に向けてたのなんかより、比べ物にならないくらいかわいい笑顔が。
でも、ここがゴールじゃない。
いつまでも飛鳥が笑顔でい続けてくれるように、俺がもっともっと幸せにするんだ。
「なぁ、今週の土曜、空いてる?」
「うん、空いてる」
「……お前、ほんと暇なんだな……あ、痛い、ごめんなさい」
「なに?」
「うちでね、孝介と大護に俺の誕生日祝いしてもらうんだけど、飛鳥も来る?」
「え、楽しそう!行きたい!」
「水嶋も呼ぶか」
「水嶋さん!仲良くなりたいな」
「……ダイくんを盗った女とかいっていじめない?」
「いじめないよ!もうダイくんへの気持ちはないから!」
「よし、じゃあ……その時に大護に見せびらかしてやろう」
「なにを?」
「俺と飛鳥の仲睦まじい姿を。あいつ絶対驚くぞ……。どんな顔するかなぁ……」
「……悪い顔」