天神学園のお忍びな面々
ぺちん、と。

白い少女にその右手を軽く叩かれた。

気配など、僅かばかりも感じない。

「雪ちゃん」

椿が呟き。

「「白雪」さんっ」

エレナと美緒が、同時に呼んだ。

甲斐も、あの大樹の下で遭遇した少女。

小岩井 白雪(こいわい しらゆき)。

小岩井 冬樹(こいわい ふゆき)と夕城 花(ゆうしろ はな)の娘で、エレナとはイトコ同士。

嘗てこの天神学園で用務員を務めていた小岩井 防人(こいわい さきもり)の血筋にあたる。

彼女の血筋もまた特殊だ。

防人は死神、その妻の小岩井 雪菜(こいわい ゆきな)は雪女であった。

白雪もまた、双方の力を受け継ぎ、高等部1年の生徒ではあるものの、普段はあの大樹の守り人として過ごしている。

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