天神学園のお忍びな面々
夕城三人衆らが校門を潜るのを見届け、白雪は次に先輩を見る。

「……」

「睨まれても困る。吹っ掛けてきたのは夕城のだ」

「……」

「…分かった。俺も退散しよう」

やや溜息交じりに、歩を進める先輩。

その背中に。

「先輩」

声をかけたのは甲斐だった。

「美緒様は素性を知らないと仰っておられたが…その武の才、美緒様すら控えられた物言い、その存在感…お前は…」

甲斐は告げる。

「もしやヒノモトで行方知れずになっている、勅使河原将軍家御子息…その長男ではないのか?」

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