天神学園のお忍びな面々
だというのに。

「じゃあ君達は後ろの席に」

高等部1年のとあるクラス。

甲斐は担任教師に促されて席に着く。

周囲には刀を携えた夕城三人衆。

見事に全員同じクラスになった。

「……」

背後からの牡丹の視線が痛い。

愛刀・柊を肩に立てかけ、腕組みして、じっと甲斐を見据えている。

まるで斬りかかる隙を狙っているかのような気配だ。

「まぁまぁ、坊」

椿が苦笑いする。

「校門でのやり取りは、サラリと水に流そうよ。彼はあの女の子を助けに入っただけだし」

椿は甲斐の方に視線を投げかける。

「君だって、何もなければ事を構えるつもりはなかったんでしょ?」

「あ、ああ…」

刀を携えた3人組、揃いも揃って血気盛んな連中かと思っていたが…。

「僕は夕城 椿、こっちの仏頂面は牡丹、大柄な彼が蘭丸だよ。同じ転校生のよしみで、仲良くしよう」

椿は屈託なく笑った。

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