天神学園のお忍びな面々
「よぉ、よぉ」

反対側から、バシバシと甲斐の肩が叩かれる。

痛い。

「お前、あの校門にいたカワイコちゃんとはどういう関係だ?」

肩を叩いたのは蘭丸だった。

「彼女は…惑星ヒノモトの勅使河原将軍家がご息女、美緒様だ。俺は彼女の護衛を仰せつかって来た『番犬』だ」

「ご息女!コイツぁまたスゲェのがいたもんだ!」

蘭丸は豪快に笑う。

ホームルーム中だというのに、担任教師が睨むのも気にしない。

「見目もいいし乳もデケェし、言う事ねぇ姫さんだな。もう男はいんのかよ?」

「おい…」

無遠慮な物言いに、甲斐が表情を曇らせる。

と。

「お、悪ィ」

蘭丸はパシッと自分の口を手で塞いだ。

「テメェの主君を口汚く言われりゃ、気も悪くするわな。俺だって親父や夕城宗主を茶化されりゃあ腹も立つ。今のは忘れてくれや」

礼儀のなっていない無法者かと思っていたが、蘭丸も性根は悪くないようだ。

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