天神学園のお忍びな面々

椿に蘭丸、気のいい男なのは理解した。

甲斐も少しばかり警戒を緩める。

「お前達のその刀…」

甲斐は、椿の持つ四季、蘭丸の持つ夜桜に目をやる。

「こちらの刀は、ヒノモトに比べて銘刀が多いと聞いているが…お前達の刀は一際目を引くな」

「お？お前さん、刀に目端が利くのかい」

蘭丸が嬉しそうに言う。

「僕らが持っているのは、夕城流に代々受け継がれている『四季・色彩銘刀』と呼ばれる刀なんだ。僕のは大作の四季、蘭丸のは春の刀の夜桜なんだ」

「四季に夜桜か…銘もいい。風流を感じる」

椿の言葉に感服する甲斐。