天神学園のお忍びな面々
天神学園敷地内。

鬱蒼と茂る鎮守の森。

何らかの結界を用いた錯覚なのか、限られた天神学園の敷地内にあるとは思えないほどに、この森は深く、知らぬ者が立ち入れば遭難すらする。

それは守り人である白雪の仕業でもあり、悪戯に踏み入れば半日は堂々巡り、偶然迷い込んだ者でも、最深部に到達する事なく、気が付けば森の外に出されてしまう。

その森に。

「せいっっっ!」

裂帛の気合いの籠もった掛け声が響く。

空を裂き、木々に積もった雪すら落とすほどの、甲斐の正拳突き。

力の籠もったそれを、彼は連続で打ち出す。

2発、3発4発5発!

連撃は空気さえ震わせ、何度も枝に積もった雪を地面に降り注がせた。

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