One Night Lover
「華乃…藤ヶ瀬とは本当に何でも無いんだよな?」

「え?」

華乃は何て返事をすべきか悩んでいた。

「な、無いよ。あるわけでないでしょ。」

結局、華乃は今の状況を変える勇気が無くて咄嗟にそう答えた。

それに今の華乃は藤ヶ瀬と、何かあるという所までは行ってない。

あの夜からずっと何もないたった一度きりの関係だと自分の心に言い聞かせた。

「これから仕事で絡むことも多いし、
華乃のこと疑ったままじゃいい仕事も出来ないと思う。」

華乃は黙って頷いた。

「だから華乃…いい加減、式の日取りを決めてくれないか?

俺は安心したい。」

華乃はもう逃げられないと思った。

「何月がいいかな?」

「え?あー、うん。
秋がいいけど…今年はもう無理だから。

来年の秋くらい…がいいかな。」

華乃は一年の猶予を自分に与えた。

それ以上は健が待ってくれないと判断した。

「わかった。そうしよう。

それまでは仲良く過ごそう。」

健が華乃を抱きしめた。

久しぶりに健の匂いを嗅いだ。

健は華乃にキスをしてそのままベッドに押し倒した。

華乃の身体に健の指が這う。

ベッドの上の優しい健はやはり物足りなかったが
華乃は健の匂いに安心した、

癒されるsexもアリかなと思う。

華乃の上で気持ちよさそうに動く健を華乃はただ包んだ。

健が帰った後、華乃は渉の部屋からもらってきたタバコを口にした。

いつのまにかタバコが華乃の足りない何かを埋める道具になった。
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