One Night Lover
華乃は抵抗するわけでもなく、
渉の胸に顔を埋めた。

摂生した生活を送ってる渉の身体は
実はかなり限界だった。

今の華乃なら簡単に利用できる。

だから慎重に傷つけないように行動に移した。

渉は華乃に軽いキスをして様子を伺い、
華乃が拒まないと分かるともう一度キスをした。

今度のはもっと深い、始める前のキスだ。

舌を絡ませ、華乃の反応を見る。

華乃も渉が欲しくなった様で
気持ちよさそうに身体をくねらせてそれを受け入れる。

渉は華乃の服を一枚ずつ脱がせ、ゆっくり華乃の中に入った。

華乃の口から吐息が漏れ、やがて喘ぎ声に変わる。

「気持ちいい…いっちゃうよ…」

わざと興奮するような言葉を渉の耳元で囁いて、
華乃は自分から腰を動かしてそれを求めた。

渉が果て、華乃を抱きしめた。

「華乃…俺とこんなことしていいの?」

「うん、もうあの人なんかどうでもいい。

先輩さえいればいいの。」

華乃はそう言って渉にキスをした。

渉は華乃がヤケになった所につけ込んで
悪いことをしているとわかっても
華乃の身体は魅力的で止められなかった。

「ん?待って…今日は平日だよな?

華乃、会社は?」

「サボった。

先輩に会いたくなって…行きたくなくなっちゃった。」

華乃はそう言って裸のまま渉の作業机の上にあるタバコを取りに行った。

渉はベッドの中からその後ろ姿を眺めて

「華乃の裸…描いていい?」

と聞いた。

華乃はタバコに火をつけると椅子に座り

「いいよ。どんなポーズがいい?」

と笑った。

その作り笑顔が悲しくて渉はベッドから起き上がり椅子に座った華乃からタバコを取り上げて
自分が吸うと

「脚、少し開いて…顔あげて。」

と言って華乃の身体に触れポーズを取らせると
机の引き出しから鉛筆とスケッチブックを取り出した。

タバコを咥えたまま、華乃の前に座りその姿を描く。

「華乃は綺麗だね。」

渉が褒めると華乃は突然俯いてポロポロと涙を零した。

渉はスケッチする手を止めて、華乃の側に行き

「華乃…俺が居る。

華乃の側に居るから。」

そう言って華乃を抱きしめた。










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