イケメンエリート、愛に跪く



舟は、この日の午後三時に関東テレビの局長と会うアポイントを取っていた。
ソフィアに頼まれた仕事をこなしながら、舟は何度も時計を見る。
昼の一時が回っても、タロウから何も連絡が入らない。

舟が悶々としていると、トオルが社長室に入ってきた。


「舟に頼みがあるんだ…」


トオルは肩をすくめ苦笑いをしている。


「僕が日本に居る事で生じる仕事の話だったら、悪いけど断るよ」


トオルはそれでも食い下がる。


「ま、実際、ソフィアに頼む仕事なんだけど、しばらく日本に来れないだろ?
ソフィアに聞いたら、舟に聞いてみてって。
お前の判断に一任するって」


舟は面倒くさそうにため息をついた。


「じゃ、なおさら断るよ。
僕は、本来、一か月休みをもらって日本に来てるんだ。
今、やってる仕事も、ソフィアに騙されてやらされている。

僕は日本ではCanhuuの契約の仕事しかしない。
そして、それが決まったら、ハワイにいる祖父母の家に行く予定だから、僕を当てにしないでほしい」


舟は、物事に曖昧を求めない人間だ。
出来るものはできる、出来ないものはできない、厳しいようだがこれが舟のやり方だった。


「そっか… 了解…
ま、そうだよな、ロンドンに異動する前の貴重な休みだったのを忘れてたよ」


今度は舟の方が肩をすくめトオルに目配せをした。
トオルが社長室から出てしばらくすると、やっと、舟のスマホにタロウからの電話が入った。




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